中村公彦監督のショート・ムービー『スルー・ロマンス』。
プロデューサーは中村公彦・森元修一、脚本・編集は中村公彦、撮影監督は宮永昭典、撮影補は鏡早智、撮影助手は入江望・渡辺友磨、録音は春本一大、助監督は阿草祐己、ヘアメイクは片伊木彩名、スタイリストは部坂尚吾、美術は中山美奈、合成は遊山直奇・中村公彦、音楽は與語一平、挿入歌は「モヤモヤサラサラ体操」「セシオチョコレートの唄」(歌:日下部あい)・「愛は空のかなたに」(歌:緒方友里沙&原田祐輔)、体操振付は倖田李梨、制作担当は文信幸。製作はINNERVISIONS、Fatheron Productions。
2012/45分/HD
子役時代から活躍している人気女優の山吹杏奈(緒方友里沙)は、20歳の記念に初の座長公演を行うことになる。彼女は、自分の相手役として現在はニューヨークに演劇留学している22歳の亜門ヒロ(原田祐輔)を指名する。
二人は子役時代から何度も一緒に仕事をする仲で、世間ではゴールデン・コンビとまで称されている。しかし、実のところ二人は実際に会ったことがなかった。それというのも、杏奈の事務所社長(ほたる)とヒロの事務所社長(竹本泰志)が犬猿の仲で、二人を直接仕事場で会わせることを禁じていたからだ。
世間には極秘だったが、二人の共演はすべて3D映像を合成処理したものだった。共演を重ねるうち、次第に杏奈はヒロに惹かれて行った。
今回の公演が3Dによるヴァーチャル共演であることを他の共演者たちは不安に思ったが、稽古を重ねるうちにその不安は解消されて行った。それほど、杏奈とヒロの息はぴったり合っていた。
杏奈には、この公演中に自分に課したことがあった。それは、自分の秘めた想いをいよいよヒロに伝えるということだった。
プロデューサーは中村公彦・森元修一、脚本・編集は中村公彦、撮影監督は宮永昭典、撮影補は鏡早智、撮影助手は入江望・渡辺友磨、録音は春本一大、助監督は阿草祐己、ヘアメイクは片伊木彩名、スタイリストは部坂尚吾、美術は中山美奈、合成は遊山直奇・中村公彦、音楽は與語一平、挿入歌は「モヤモヤサラサラ体操」「セシオチョコレートの唄」(歌:日下部あい)・「愛は空のかなたに」(歌:緒方友里沙&原田祐輔)、体操振付は倖田李梨、制作担当は文信幸。製作はINNERVISIONS、Fatheron Productions。
2012/45分/HD
子役時代から活躍している人気女優の山吹杏奈(緒方友里沙)は、20歳の記念に初の座長公演を行うことになる。彼女は、自分の相手役として現在はニューヨークに演劇留学している22歳の亜門ヒロ(原田祐輔)を指名する。
二人は子役時代から何度も一緒に仕事をする仲で、世間ではゴールデン・コンビとまで称されている。しかし、実のところ二人は実際に会ったことがなかった。それというのも、杏奈の事務所社長(ほたる)とヒロの事務所社長(竹本泰志)が犬猿の仲で、二人を直接仕事場で会わせることを禁じていたからだ。
世間には極秘だったが、二人の共演はすべて3D映像を合成処理したものだった。共演を重ねるうち、次第に杏奈はヒロに惹かれて行った。
今回の公演が3Dによるヴァーチャル共演であることを他の共演者たちは不安に思ったが、稽古を重ねるうちにその不安は解消されて行った。それほど、杏奈とヒロの息はぴったり合っていた。
杏奈には、この公演中に自分に課したことがあった。それは、自分の秘めた想いをいよいよヒロに伝えるということだった。
果たして、彼女の想いは伝わるのだろうか…。
正直、どこまでが真面目で何処からがおふざけなのか判別しづらい作品である。
タイトルは、トニー・スコット監督『トゥルー・ロマンス』(1993)のもじりだろうし、杏奈とヒロのゴールデン・コンビから共演作品までは山口百恵&三浦友和のパロディである。今の人には、三浦貴大のご両親と言った方が通りがいいか…って、さすがにそんなことないよね(笑)
世志男が出演してるからの「セシオチョコレート」は、百恵・友和の共演CM「セシルチョコレート」(江崎グリコ)が元ネタである。それにつけても、ドラマのパロディが今の目で見ると韓流ネタにしか見えないから不思議だ。
閑話休題。いきなり何なのだが、やはり3D共演という物語の根本があまりにも無理過ぎる。握手しようとする手が行き違う場面も、どう見てもわざとらしい。
かといって、展開が弾けた方向に疾走するかというと至極まっとうな悲恋的ロマンスに収束してしまうから、どう観れば正解なのかが本当に分からない。ヒロの死もそうだし、杏奈とヒロの事務所社長同士の秘めたる思いもまた、かなりガチでシリアスな雰囲気を纏うのだ。
その一方で、演出家の世志男やもりちえ、意味不明な柳東史と無駄とも思えるポップなくすぐりも用意されている。松浦祐也は…この際、いいか(笑)
いずれにしても、困ったものである。
主役の緒方友里沙はそれなりに魅力的だし、ほたると竹本泰志は安定感抜群の演技を見せてくれる。地味に、千葉誠樹も悪くない。
これだけの役者が揃っているのだから、もう少しやりようがあったのでは…との思いがどうしても頭をよぎるのだ。
「いえ、あえてこういうのがやりたかったんですよ」と中村監督は言いそうな気もしないではないが。
まあ、あまりシリアスに受け止めるべき作品でもないかも知れないが、やはり僕にとっては不完全燃焼気味の小編であった。
これは余談だが、「愛は空のかなたに」のデュエットでは緒方友里沙の音程が不安定で、聴いていていささか気持ち悪い。
正直、どこまでが真面目で何処からがおふざけなのか判別しづらい作品である。
タイトルは、トニー・スコット監督『トゥルー・ロマンス』(1993)のもじりだろうし、杏奈とヒロのゴールデン・コンビから共演作品までは山口百恵&三浦友和のパロディである。今の人には、三浦貴大のご両親と言った方が通りがいいか…って、さすがにそんなことないよね(笑)
世志男が出演してるからの「セシオチョコレート」は、百恵・友和の共演CM「セシルチョコレート」(江崎グリコ)が元ネタである。それにつけても、ドラマのパロディが今の目で見ると韓流ネタにしか見えないから不思議だ。
閑話休題。いきなり何なのだが、やはり3D共演という物語の根本があまりにも無理過ぎる。握手しようとする手が行き違う場面も、どう見てもわざとらしい。
かといって、展開が弾けた方向に疾走するかというと至極まっとうな悲恋的ロマンスに収束してしまうから、どう観れば正解なのかが本当に分からない。ヒロの死もそうだし、杏奈とヒロの事務所社長同士の秘めたる思いもまた、かなりガチでシリアスな雰囲気を纏うのだ。
その一方で、演出家の世志男やもりちえ、意味不明な柳東史と無駄とも思えるポップなくすぐりも用意されている。松浦祐也は…この際、いいか(笑)
いずれにしても、困ったものである。
主役の緒方友里沙はそれなりに魅力的だし、ほたると竹本泰志は安定感抜群の演技を見せてくれる。地味に、千葉誠樹も悪くない。
これだけの役者が揃っているのだから、もう少しやりようがあったのでは…との思いがどうしても頭をよぎるのだ。
「いえ、あえてこういうのがやりたかったんですよ」と中村監督は言いそうな気もしないではないが。
まあ、あまりシリアスに受け止めるべき作品でもないかも知れないが、やはり僕にとっては不完全燃焼気味の小編であった。
これは余談だが、「愛は空のかなたに」のデュエットでは緒方友里沙の音程が不安定で、聴いていていささか気持ち悪い。