2015年10月16日、渋谷Bunkamuraオーチャードホールにて、大貫妙子と小松亮太のNEWアルバム『Tint』発売記念コンサート・ツアー「Tint」~ふたりが紡ぎ出す極上の美意識~を観た。
2000年に大貫が発表したアルバム『ensemble』収録の「エトランゼ~etranger」をレコーディングする際、当時デビュー間もなかった小松を指名したことから二人の交流は始まり、15年を経て発表されたデュオ・アルバム『Tint』。その発売を記念しておこなわれたコンサート・ツアーである。
大貫妙子(vo)、小松亮太(bandoneon)、近藤久美子(vln)、天野清継(g)、鈴木厚志(pf)、田中伸司(b)、ゲスト:国府弘子(pf)
先ずは、小松亮太がバンド・メンバーと共に「風の詩~THE 世界遺産」を演奏してこの日のコンサートは幕を開けた。2曲目でター坊が登場すると、人気曲「横顔」をシックに聴かせる。
出逢いから15年を経て、満を持してのコラボレーション。ヨーロッパ・テイストの楽曲も多いター坊の歌と躍動的な小松亮太のバンドネオン演奏は相性も抜群で、とても息の合ったカラフルで楽しいライブである。
ター坊のレパートリー「Hiver」「突然の贈り物」や二人の出逢い曲「エトランゼ~etranger」も、いつもとはやや趣を異にしており、どこか新鮮に響く。
ちなみに、タンゴと言った場合、日本ではアルゼンチン・タンゴとコンチネンタル・タンゴに区別されることが多い。アルゼンチン・タンゴが一度ヨーロッパを経由して、ムード・ミュージック的に変化したのがいわゆるコンチネンタル・タンゴである。
日本におけるかつてのタンゴ・ブームは、コンチネンタル・タンゴを指すものであるが、アストル・ピアソラの名前が浸透した現在においては、日本でもアルゼンチン・タンゴが広く聴かれるようになっている。
ター坊が抜けて、インストゥルメンタルで演奏された「1980年代」「我々はあまりに若かった」「リベルタンゴ」「五重奏のためのコンチェルト」も決してタンゴの大メジャー曲ではないが、隠れた名曲を聴かせる渋いチョイスである。
ちなみに、「リベルタンゴ」と「五重奏のためのコンチェルト」は、前述したアルゼンチン・タンゴの革命児アストル・ピアソラの楽曲である。「1980年代」は、ピアニストのオマール・ヴァレンテの曲。「我々はあまりに若かった」は、バンドネオン奏者であるレオポルド・フォデリコの曲。
アンコールの1曲目「ラ・クンパルシータ」は、ヘラルド・エルナン・マトス・ロドリゲスのペンになるアルゼンチン・タンゴで最も知られた楽曲である。
ゲストとして数曲でピアノを聴かせ、ソロでも「You Tune My Heart」を演奏した国府弘子は、アルバム『Tint』に収録された「エトランゼ~etranger」の編曲も担当している。
この日演奏された16曲のうち10曲が『Tint』からで、本コンサートでアルバム収録曲のすべてが披露された。
なお、「ハカランダの花の下で」は、オマール・ヴァレンテの名曲「最後のコーヒー」にター坊が新たな日本語詞をつけたものである。「愛しきあなたへ」はNHKラジオ深夜便「深夜便のうた」としてオンエアされた曲、「山のトムさん」はWOWOWで放送されるテレビドラマの主題歌である。
2000年に大貫が発表したアルバム『ensemble』収録の「エトランゼ~etranger」をレコーディングする際、当時デビュー間もなかった小松を指名したことから二人の交流は始まり、15年を経て発表されたデュオ・アルバム『Tint』。その発売を記念しておこなわれたコンサート・ツアーである。
大貫妙子(vo)、小松亮太(bandoneon)、近藤久美子(vln)、天野清継(g)、鈴木厚志(pf)、田中伸司(b)、ゲスト:国府弘子(pf)
先ずは、小松亮太がバンド・メンバーと共に「風の詩~THE 世界遺産」を演奏してこの日のコンサートは幕を開けた。2曲目でター坊が登場すると、人気曲「横顔」をシックに聴かせる。
出逢いから15年を経て、満を持してのコラボレーション。ヨーロッパ・テイストの楽曲も多いター坊の歌と躍動的な小松亮太のバンドネオン演奏は相性も抜群で、とても息の合ったカラフルで楽しいライブである。
ター坊のレパートリー「Hiver」「突然の贈り物」や二人の出逢い曲「エトランゼ~etranger」も、いつもとはやや趣を異にしており、どこか新鮮に響く。
ちなみに、タンゴと言った場合、日本ではアルゼンチン・タンゴとコンチネンタル・タンゴに区別されることが多い。アルゼンチン・タンゴが一度ヨーロッパを経由して、ムード・ミュージック的に変化したのがいわゆるコンチネンタル・タンゴである。
日本におけるかつてのタンゴ・ブームは、コンチネンタル・タンゴを指すものであるが、アストル・ピアソラの名前が浸透した現在においては、日本でもアルゼンチン・タンゴが広く聴かれるようになっている。
ター坊が抜けて、インストゥルメンタルで演奏された「1980年代」「我々はあまりに若かった」「リベルタンゴ」「五重奏のためのコンチェルト」も決してタンゴの大メジャー曲ではないが、隠れた名曲を聴かせる渋いチョイスである。
ちなみに、「リベルタンゴ」と「五重奏のためのコンチェルト」は、前述したアルゼンチン・タンゴの革命児アストル・ピアソラの楽曲である。「1980年代」は、ピアニストのオマール・ヴァレンテの曲。「我々はあまりに若かった」は、バンドネオン奏者であるレオポルド・フォデリコの曲。
アンコールの1曲目「ラ・クンパルシータ」は、ヘラルド・エルナン・マトス・ロドリゲスのペンになるアルゼンチン・タンゴで最も知られた楽曲である。
ゲストとして数曲でピアノを聴かせ、ソロでも「You Tune My Heart」を演奏した国府弘子は、アルバム『Tint』に収録された「エトランゼ~etranger」の編曲も担当している。
この日演奏された16曲のうち10曲が『Tint』からで、本コンサートでアルバム収録曲のすべてが披露された。
なお、「ハカランダの花の下で」は、オマール・ヴァレンテの名曲「最後のコーヒー」にター坊が新たな日本語詞をつけたものである。「愛しきあなたへ」はNHKラジオ深夜便「深夜便のうた」としてオンエアされた曲、「山のトムさん」はWOWOWで放送されるテレビドラマの主題歌である。
大貫妙子のソロと違い、ある種のリラックスした雰囲気が印象的なコンサートだった。ゲストの国府弘子の快活な明るさも悪くないし、何と言ってもやんちゃな弟としっかり者のお姉さんみたいな小松亮太と大貫妙子のやり取りが楽しかった。
個人的には、この編成でもう少しター坊のオリジナルも聴きたかったように思うが、贅沢は言えない。
この日のハイライトは、間違いなく「Tango」だろう。元々はアルバム『LUCY』に収録された坂本龍一作曲のオリジナルだが、使用されているコードはタンゴ的でないため、小松亮太が大々的にコード進行を変えたのだそうだ。
『Tint』収録の小松版「Tango」を聴いた教授は、「素晴らしい!だけど、随分コードを変えられちゃったなぁ」と言ったそうである(笑)
ややシュールな歌詞と情熱的な温度を伴った不思議な楽曲だが、小松のバンドネオンによって、ポップスとしての佇まいも備えたまさしく現代的なタンゴの前衛曲に進化した感じである。ター坊の歌唱共々、聴き応え十分の素晴らしい演奏だったと思う。
大貫妙子と小松亮太のコンサートは、良質な音が凝縮したシックかつエレガントなまさしく「大人のコンサート」で、深まる秋の夜を過ごすにぴったりの贅沢な心楽しい時間であった。
【Set List】
1 風の詩~THE 世界遺産
2 横顔
3 Hiver
4 ハカランダの花の下で
5 1980年代
6 我々はあまりに若かった
7 突然の贈り物
8 エトランゼ~etranger
9 You Tune My Heart
10 リベルタンゴ
11 五重奏のためのコンチェルト
12 ホテル
13 Tango
14 愛しきあなたへ
-encore-
15 ラ・クンパルシータ
16 山のトムさん