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NAADA「Drunken Master Vol.2」2016.11.17@川口CAVALLIN

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2016年11月17日、川口CAVALLINOでNAADAが出演するイベント「Drunken Master Vol.2」を観た。
今年、NAADAがライブをやるのは11月5日の田端Studio Andantino以来五度目で、僕が彼らのライブを観るのはこれが通算47回目。
なお、この日の演奏が年内のラスト・ライブだった。


 
NAADA : RECO(vo)、MATSUBO(ag)、COARI(pf)
 
では、この日の感想を。

1. 愛、希望、海に空
透明感にあふれた美しいピアノのイントロにエフェクティヴな音色のギターが加わり、音はドラマティックな広がりを見せる。
ただ、ヴォーカルの出音が大きすぎてサウンド・バランスが落ち着かない。この曲は器楽的なアンサンブルが肝だから、声も他の楽器と調和した音で聴きたいのだ。全パートがラウドになると、PAが歪んでしまうのも気になる。
神秘的な厚みあるコーラスは刺激的だし、ソウルフルなプレイも魅力的だから、もう少し音を整理できれば。
叙情派プログレッシヴ・ロックのような深みのある音像は、とても魅力的だ。

2. RAINBOW
演奏自体は悪くないのだが、やはり音のバランスが気になってしまう。何というか、彼らの音圧に会場とPAがオーバーフロー気味に聴こえるのだ。
ただ、この三人ならではのアンサンブルがしっかりと聴き取れて、手応えのようなものを強く感じた。

3.puzzle
意匠はポップ、心情はパンクな曲。RECOのストレートな歌には、ヒリヒリするような皮膚感覚があって刺激的だ。
この曲で音が整い、ガッツのあるサウンドが耳に残った。

4. REBORN
今回のライブでどれか一曲と問われたら、僕は迷わずこの曲を推す。まるで耽美的なフレンチ・シンフォニック・プログレのような圧倒的音像で始まり、機関銃のように畳みかける歌詞が独特の疾走感となって会場を駆け抜けていく。
NAADAの幅広い音楽性と高度な技巧が、如実に分かる極めてハイ・クオリティな演奏に舌を巻く。

5.sunrise
この曲のシンプルで簡素な美しさに、このリバーブはやや深すぎるように感じた。洞窟の中から見る日の出のような印象である。
ただ、この演奏でも三人編成のNAADAの音楽的アイデンティティが確立してきたのがはっきり分かった。

年内最後のライブを行ったNAADA。この夜の演奏には、初ワンマンの余韻と勢いがそのまま出ていたように思う。来年の彼らは、より大海へと船出していくんじゃないか。僕には、そんな予感と期待がある。
新しい日の出を楽しみに待ちたい。


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