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岨手由貴子『あのこは貴族』

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『あのこは貴族』


脚本・監督:岨手由貴子/原作:山内マリコ「あのこは貴族」(集英社文庫刊)/音楽:渡邊琢磨/撮影:佐々木靖之/照明:後閑健太/録音:近藤崇生、/美術:安宅紀史/編集:堀善介/助監督:張元香織
制作:東京テアトル/配給:東京テアトル、バンダイナムコアーツ
公開:2021年2月26日


渋谷区松涛の医者の家系に生まれた華子(門脇麦)は、良家が集う学校(明らかに、学習院っぽい)で学び彼女も家族も自分たちと同等以上の家計でできれば医者と結婚することが幸せだと何の疑いもなく考えている。
27歳の彼女は仲のいい友人たちもバイオリニストの一人を除いて皆結婚しており、焦りを感じている。そこに、自分の家よりさらに一段階上の家系で弁護士の幸一郎(高良健吾)見合い話がある。


 

富山県出身で慶応大学文学部に進学した美紀(水原希子)は、父が職を失いキャバクラ嬢をしながら自分で学費を稼ごうとするが、結局は中退。彼女の大学にも歴然とした回想が出来上がっており、頂点に立つのは幼稚舎からの持ち上がり組だ。美紀は、ホステスとして店のグレードを上げて行くうちにお客から紹介された会社に転職する。


 

そして、あることがきっかけとなり出会うはずのない華子と美紀は出会うことになる。


 

この映画は、あまりテーマにされることのない日本的なカーストにスポットを当てつつ、どの階層にも存在するある種の生きづらさみたいなものを描いている。なかなか珍しいテーマが、まずは興味深い。
それぞれに役者もいい。『愛の渦』で大胆な濡れ場を演じ、『止められるか、俺たちを』にも主演した門脇麦、城山羊の会のミューズで癖のある芝居には定評のある石橋けい、天井桟敷で寺山修司に寵愛された高橋ひとみ。重箱の隅的には、タクシー運転手の声で岩谷健司もクレジットされている。
個人的には、水原希子が抜群に魅力的だった。

 

 

ラストはいささか定形的な甘さを感じるけど、観て損のない映画だと思う。


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