僕がNAADAのライヴを観るのは、これで32回目。前回観たのは6月7日 、場所は東新宿の真昼の月・夜の太陽であった。
では、この日の感想を。
1.Good afternoon
構築された音の完成度が、とても高い。ただ、エコーがいささか深過ぎるのと、圧倒的な音をPAが受け止め切れず、音像に若干の濁りを感じたのがもどかしかった。
2.RAINBOW
何やら、ボーカルの出音が浴室内の反響音のようで落ち着かない。声はちゃんと出ているし、歌のクオリティも悪くないのに、某かのフィルターを通した音を聴いているようで、ストレスがあった。
3.echo
この曲では、PCを使わずに二人だけでの生音による演奏。ただ、僕にはPAにとても問題があるように思えてならなかった。
そもそも、ボーカルの音量が不安定だし、エコーがまったくかかってないように聴こえた。何というか、本来二人がイメージしていた音とはかなりのギャップが生じていたのではないか?
RECOは、かなり外音を気にしながら自分の歌声をコントロールしているように映った。
4.fly
本日の個人的ベスト・パフォーマンスは、迷わずこの曲。
確信に満ちたキレのあるプレイ、シャープで凛々しさを湛えたい歌、グルーヴィーで勢いのあるギター。ハイ・ノートでのボーカルの突き抜け方も一切ブレない。
とてもいい演奏だったと思う。
5.僕らの色
この曲では、バウロンを手にしながらRECOが歌う。音源も、サポート・メンバーである笹沢早織のピアノと宍倉充のベースを加えた重厚なサウンドを重ねた。
聴く度に思うのは、この曲のひとつの理想形はNAADA流ウォール・オブ・サウンドなのではないかということ。
この日はPAの限界なのか、音が団子状で押し出しの迫力に欠けていた感があった。アッパーに気持ちが煽られる高揚感にまで達しないのだ。
ただ、ラスト前のボーカル・パートの力強さには心動かされた。バウロンも入っていることだし、間奏でバグパイプ的な音が付加されても面白いんじゃないかな…と思った。
4か月ぶりとなる久々のライヴは、ステージ環境としては決して理想的なものとはいえなかったのではないか。それが、やはり残念であった。
けれども、NAADAが試行錯誤して来た音作りのあり方は、このライヴでも揺るぎなき明確さを持っていた。4か月前のライヴにもその片鱗は見えていたのだが、それがさらなる進化(というより、むしろ深化と言った方がより的確か)を遂げていたように思う。
今、彼らが心血を注いでいるバンド編成でのアルバム・レコーディングがとても楽しみになるライヴであった。
NAADA年内最後の演奏は、年内12月20日東新宿真昼の月・夜の太陽。今から、とても待ち遠しい。
これは、余談。
この日のライヴで、RECOは比較的襟ぐりの広い服を着て、左の鎖骨辺りにワンポイントとなるシール・タトゥーを施していた。
かなり以前のライヴでも、彼女は手の甲やうなじの辺りにシール・タトゥーを貼っていたことがあったようだが、僕が見たのは今回が初めてで何だかドキドキしてしまった…。
Photo by HAL