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大貫妙子 Pure Acoustic 鎌倉LIVE 2013@鎌倉芸術館小ホール

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2013年11月1日、鎌倉芸術館小ホールにて、大貫妙子4年ぶりとなるピュア・アコースティック・コンサートを観た。

What's Entertainment ?
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ストリングス・カルテットの1stヴァイオリンを務める金子飛鳥が渡米したので、しばらくこのフォーマットではライヴをしていなかったのである。
ちなみに、彼女が鎌倉芸術館で歌うのは2005年以来8年ぶりのことである。

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場内に流れる客入れのBGMは、ジョアン・ジルベルト。開演時間の午後7時を少し回ったところで、照明が落とされメンバーが登場。静かに、インストゥルメンタルの序曲が演奏される。
そして、大貫妙子がステージへ。この日のター坊は、ソバージュをかけた髪、4年前の2009年11月1日JCB HALL「Pure Acoustic 2009」時と同じ黒の衣装。「別に、衣裳を買うお金がない訳じゃないですよ…」と言って、彼女は軽やかに笑った。

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大貫妙子(vo)、フェビアン・レザ・パネ(pf)、吉野弘志(wb)、金子飛鳥ストリングス:金子飛鳥(1st violin)、相磯優子(2 nd violin)、志賀恵子(viola)、木村隆哉(cello)

久しぶりにドラムもギターもいない編成は、何だか新鮮に聴こえる。
この夜の一曲目は、「幻惑」。厳選された言葉、研ぎ澄まされたサウンド。まるで客席全体がひとつの耳になったように、彼女の歌を聴く。そう、これこそピュア・アコースティックならではの雰囲気なのだ…と思う。
続いては、お馴染みの「Hiver」「風の道」

歌い終わった後で「やはり、この編成でないとしっくりこない曲があるんです」と言ったのが、彼女の代表曲のひとつ「黒のクレール」
いつものように言葉を探しながら、けれど朗らかにMCするター坊は、シュガーベイブでの活動から40周年。今月末には60歳を迎えるというのに、相変わらず若々しい。
彼女が秋田の田んぼで米を作っているというのはファンには有名な話だが、この日会場では彼女が育てた無農薬のお米を使って葉山の料理店「魚料理うりんぼう」が作ったお弁当を販売していた。どうでもいい話だけれど、僕も買って食べた。
ちなみに、ター坊は葉山町在住である。
メンバーは、静謐な演奏を続ける。「明るい曲もありますよ」とター坊は笑った。

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一度、ター坊がステージ袖に引っ込むと、彼女にとってなくてはならない存在のフェビアン・レザ・パネがピアノ・ソロを披露。曲は、彼のアルバム『大地の肖像』(2004)一曲目に収録されている「Secred Distance」。“聖なる距離”を意味する曲名は、ター坊と彼との関係性を表しているのだそうだ。
この日のパネさんは、珍しく長いMCをしていた。

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淡いベージュのドレスに着替えて、ター坊が再びステージへ。曲は「横顔」「彼と彼女のソネット」
ター坊の作詞ではないけれど、僕は無性に「彼と彼女のソネット」の歌詞が好きだ。「いくつもの偶然から あなたにひかれていく」「もう一度 いそぎすぎた私を 孤独へ帰さないで」というフレーズが、特に。

天井に据えられたミラー・ボールが回り、光の粒舞う中で「Shall we dance?」を歌い終えると、ター坊は「この曲を発表した(周防正行監督『Shall we ダンス?』が公開された1996年)当時は空前の社交ダンス・ブームで、テレビの社交ダンス・シーンのバックで随分流れましたけど、今は何が流行ってるんでしょう?」と呟いた。どうでもいいことだけれど…という表情を浮かべながら。
コンサート最後の二曲は、「ベジタブル」「星の奇跡」。「ベジタブル」の演奏と歌唱は、いつもとアレンジを少し変えてあるように感じた。少なくとも、僕の耳にはちょっと斬新な響きだった。
彼女は、自分の歌を聴いてコンサートに足を運んでくれるファンに対して、丁寧に感謝の言葉を述べていた。いつものように静かな語り口ではあるけれど、何やら熱い思いが伝わるようだった。

メンバーがステージを去っても、アンコールを求めて拍手は鳴り続ける。そして、再びメンバーがステージへ。
数人のファンがプレゼントを手にステージにやって来るのは、いつもの光景だ。プレゼントを受け取り、言葉と握手を交わした彼女は、「突然の贈りもの、ありがとうございます」と言ってマイクの前に立った。曲は、もちろん「突然の贈りもの」
この日の最後を飾ったのは、キュートな身振りを交えての「メトロポリタン美術館」

今後、大貫妙子の活動40周年を記念して、2枚組のトリビュート・アルバムと3月下旬には東京国際フォーラム・ホールCでバンド編成のコンサートが予定されている。

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この夜、2年ぶりにライヴで彼女の歌声を聴いた僕は、とても満たされた気分で家路についた。
大貫妙子の歌声を同時代に体験できることは、僕にとってささやかな奇跡だよな…と思いながら。


2013.11.1(Fri) 大貫妙子 Pure Acoustic 鎌倉LIVE 2013@鎌倉芸術館小ホールset list
1.幻惑(from『SIGNIFIE』1983)
2.Hiver(from『One Fine Day』2005)
3.風の道(from『Cliché』1982)
4.黒のクレール(from『Cliché』1982)
5.空へ(from『LUCY』1997)
6.TANGO(from『LUCY』1997)
7.Time To Go(from『One Fine Day』2005)
8. Secred Distance-Febian Reza Pane piano solo(from『Portraits of Earth 大地の肖像』2004)
9.横顔(from『Mignonne』1978)
10.彼と彼女のソネット(from『A Slice of Life』1987)
11.Cavalier Servante(from『PURISSIMA』1988)
12.Shall we dance? (from single「Happy-go-Lucky」coupling 1997、『Library』2003、『Boucles d’oreilles』2007)
13.四季(from『aTTRaCTiOn』1999)
14.ベジタブル(from『copine.』1985)
15.星の奇跡(from『note』2002)
-encore-
16.突然の贈りもの(from『Mignonne』1978)
17.メトロポリタン美術館(from single「宇宙(コスモス)みつけた」coupling 1984、『COMin’ SOON』1986)

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