2014年8月29日、新宿のライブハウスSACT!にて、ぱんだと笹という二人組が出演するライブ「Sactone-Proud! 2014」を観た。
突然現れたこのユニットは、NAADAファンの人ならすぐにピンとくるネーミングだろう。そんな訳で、カバー曲を中心に6曲を演奏したこの日のライブ・レビューをさらっと書いてみたい。
突然現れたこのユニットは、NAADAファンの人ならすぐにピンとくるネーミングだろう。そんな訳で、カバー曲を中心に6曲を演奏したこの日のライブ・レビューをさらっと書いてみたい。
ぱんだと笹:RECO(vo)、笹沢早織(pf)
1.Because(手嶌葵)
この日最初に演奏された曲は、音が固まりとなってガツンとくる印象だった。二人の演奏は悪くないんだけど、音に奥行きのようなものが欲しい。何と言うか、もう少し静謐さと透明感があればなと思う。
2.やわらかな夜(orange pekoe)
こういうライブでなければ、RECOのボーカルではなかなか聴けないタイプのメロディである。笹沢のピアノが絶妙にスウィングする歌謡曲テイストの曲で、聴いていてとても楽しい。
3.うちゅうひこうしのうた(坂本真綾)
何だか、歌い回しにちょっと矢野顕子を連想する。こういう曲だと、ボーカリストとしてのRECOの力量がよく伝わってくる。音の隙間やバランスがなかなかに好ましい。
4.Break These Chain(CHARA)
この曲でもRECOはなかなか技巧的に聴かせるが、ちょっと力み過ぎかな…とも思う。もちろん会場の音楽的キャパにも問題があるのだが、トータルとしていささかの過剰を感じた。
5.隔たり(Mr.Children)
二人のハーモニーは綺麗だし、情感のある歌も悪くないんだけど、僕の好みを言わせてもらえばもう少しさりげない感じの方が好みかも。前の曲にも言えることだけど、元来RECOには声量があるから会場やPAの状況によってアウトプットのバランスが難しい。
6.キミとボク(鈴木蘭々)
躍動感あふれるRECOのボーカルとカラフルにグルーヴする笹沢のピアノ。こういうイノセントな歌唱を聴くとRECOっていいボーカリストだよなと再確認する。
これで、笹沢のコーラスがもう少し聴こえるとよかったのだが…。
7.淡香色の夏空へ(NAADA)
ちょっと音がラウドなんじゃないかな、と思う。歌の佇まいとして、夏の終わりの切なさみたいなものが感じられると素敵なのだけど。聴いていて、ちょっと疲れた。
8.RAINBOW(NAADA)
テッパンといっても差し支えない、NAADAスタンダードの一曲。NAADAで聴く時とは、ちょっと音像が違うところに新鮮さを感じる。笹沢がつけるハーモニーも美しい。徐々に音圧を上げる展開は、この夜のラストにぴったりだと思う。よい選曲である。
もちろん、NAADAの時に聴かせるシリアスさとは違うパフォーマンスだったが、個人的にはなかなか楽しめた。色んな意味でレアな演奏だったけど、音楽的な基礎体力を備えた二人だからこその良質なエンターテインメントを聴かせてくれたと思う。
アンケート用紙にカバーして欲しい曲という項目があったから、珍しくリクエストを書いておいた。いつか、聴ける機会があるとよいのだけれど。
ところで、この二人がぱんだと笹だとすれば、NAADAはぱんだと犬ということになるのかしらん?ワンワン!(笑)
それはそれとして、二人ともお疲れ様でした。