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NAADA「太陽のセレナーデ」@東新宿 真昼の月・夜の太陽

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12月20日、東新宿のライブハウス 真昼の月・夜の太陽でNAADAが出演するライブ・イベント「太陽のセレナーデ」を観た。
僕がNAADAのライブを観るのは、これで33回目。前回観たのは10月13日 、場所は学芸大学のメイプルハウスだった。




NAADA:RECO(vo,bodhrán)、MATSUBO(ag)+宍倉充(eb)+笹沢早織(pf)

彼らにとって年内ラストとなるライブは、久々に4人編成という布陣。クリスマス・シーズンということもあり、この日はメンバー全員がにカラー・コーディネイトされた衣裳で登場した。RECOは、白い帽子とカーディガン、赤いワンピース、黒のストッキングというファッションだった。




では、この日の感想を。

1.RAINBOW
最初のギターの音がわずかにブレたように感じたが、とても落ち着いた曲の入りである。PAの出音も含め、とてもカッチリと構築された音。時折聴かれる太いベースの音が、とても効果的だ。僕にとってこの日の曲の印象は、「安定」「広がり」ということになる。今は冬だけど、秋の木漏れ日のような音像である。
フェイドアウト気味のエンディングも、とてもスマートで良かった。

2.僕らの色
曲の入りが、まさにジャスト。緻密に練り上げられた曲構成は、圧倒的なクオリティである。その中にスリリングなテンションがあり、確たる「揺るぎなさ」を感じた。
僕はこの曲をNAADA流ウォール・オブ・サウンドだと思っているが、この日の演奏は濃密な音空間なのに不思議に息苦しさを感じなかった。おかしな表現だが、高揚を伴う開放感があった。多分、この曲におけるひとつの理想的パフォーマンスはこういう演奏の形なのだろう。
そして、サウンドがマックスになった時にも音割れしないPAが彼らの演奏を的確に伝えていた。

3.Twill
この曲での演奏は、何処までも澄みわたる「透明感」に貫かれていた。一部のバッキングに、もう少し音を抜いてストイックになってほしいかな…と思う個所もあったが、満足のパフォーマンスである。
特に、ブレイク時のネオサイケ的な音作りが秀逸。エンディングの幾何学的ともいえる演奏も面白かった。

4.UN HAPPY X’mas
ラスト2曲は、クリスマス・シーズンならではの選曲。そして、本日の個人的ベスト・パフォーマンスはこの曲。
疾走するようなベース・ラインがファンキーで痛快。この演奏は充のプレイヤーとしての面目躍如と言ったところだろう。加えて、笹沢が演奏するジャジーなピアノも曲にシャープさを添える。
RECOのボーカルは、くるくる変わる豊かな表情と転がるように軽快な歌がとてもキュートだ。
グルーヴィーにスウィングする演奏に、かなりの興奮を覚えた。

5.winter waltz
年内ラストに選ばれたのは、映像喚起に優れたこの曲。鈴の音をバックに奏でられた演奏は、この夜最もイノセントでストレートなパフォーマンスだった。このライブを締めくくるのには、ピッタリである。
そして、これはあくまでも個人的な心情だけれど(まあ、そもそも僕が書いているレビュー自体個人的な心情ではあるが)、RECOの歌っている姿を見ているとシンプルに魅力的な女性だな…と思う。


この日のライブは、僕が真昼の月・夜の太陽で聴いた中でも一二を争うPA音響の良さであった。これが今年最後でよかった!と心底思う。
とにかく、このライブに備えてメンバーが如何に音作りに神経を使ったのかが手に取るように分かったし、十二分にその成果が発揮されていた。僕が今まで聴いて来たNAADAのライブの中でもベスト・パフォーマンスのひとつと言っていいだろう。

来年には、本当に久々となるバンド編成でのアルバム・レコーディングが製作の佳境に入るはずだが、どんな音に仕上るのか今からワクワクする。
来年へのさらなる飛翔を感じさせる、とても充実した一夜であった。

最後に、Merry Christmas NAADA ♪


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