2014年1月25日、秋葉原CLUB GOODMANにて、Transparentz presents「Transparentz vs マリア観音」を観た。
Transparentzは、去年7月24日に同じCLUB GOODMANでデビュー・ライブ
をやって以来の演奏。
実質的には木幡東介のソロ・ユニットと化していたマリア観音は、今年に入って13年ぶりにバンド活動を再開しており、この日が2回目のライブである。
Transparentz : 日野繭子(noise)、山本精一(g)、HIKO(ds)、Isshee(b)
とにかく、異種格闘技的経歴を持つメンバーが集まったバンドであるから、どんな音楽性の演奏を聴かせてくれるのかという興味で、僕は去年のデビュー・ライブを聴きに行ったのだが、残念ながらその時のライブにはかなりの不満が残った。
基本的には何のギミックもないストレートなノイズの洪水だったが、音像的にもPA的なアウトプットにしても何処か曖昧で、このバンドが何をやろうとしているのかが伝わって来なかったからだ。
何といっても、このメンバーなのだから期待するなという方が無理な話である。
そして迎えた、2回目のライブ。
先ずはシンプルな感想から述べると、前回とは別のバンドかと思うくらいにいい演奏だった。
前回同様にほぼ60分一本勝負的なノイズ演奏だったが、演奏に一切迷いがなくどういう音をどう聴かせるのかが極めて明快であった。
加えて、PAがバンドの轟音を的確にアウトプットしていたことも大きい。ノイズの奔流でありながら、各パートの音がクリアーに聴きとれたからラウドさがまったく苦痛に感じないのである。
どんなジャンルのどんな音楽にも言えることだが、如何に演奏が良くてもアウトプットされる音が駄目ならオーディエンスには伝わらない。まあ、至極当然のことである。
演奏自体には、特段のギミックがあった訳でもあざとい仕掛けがあった訳でもないが、60分間まったく弛緩することなく、高密度のままに走り抜けてくれた。
エンディングで、メンバーが一人一人ステージ袖にはけて行き、そのまま潔く終演となったのもいい。
やはり、このバンドにはクールなエンディングがよく似合う。
とても充実したパフォーマンスだったので、次回はさらなる音的な高みに登って欲しいものである。
このバンドにとってのひとつの理想は、ノイズによるトランスの創出だろう。期待したい。